ロケット用インデューサの性能向上に関する研究
ワイヤーメッシュダンパ
ロケットエンジンにて実用化
ワイヤーメッシュダンパは、細い金属線を編み込んだ「金属メッシュ」からなる振動を吸収する機構です。回転機械の軸支持部に組み込むことで振動を吸収します。非常に低い温度環境にて使用できるのが特徴で、日本の基幹ロケットとして活躍したH-Ⅱロケットのエンジン(LE-7)に採用されました。
本研究では、より詳細なワイヤーメッシュダンパの特性の解明に向けて、複数の材料を用いて実験的にデータを取得しています。
ステンレスや銅といった身近な金属材料に加え、Ni-Ti(ニッケルーチタン)合金製のワイヤーメッシュダンパも作成し実験しています。Ni-Ti合金は形状記憶合金として有名ですが、材料自体が振動を吸収する特性(制振合金)も持つ特徴的な金属材料です。
実験設備
加振器により振動を与え、ワイヤーメッシュダンパへ加わる力と変形量をセンサより計測しています。