大気アシストATRIUMエンジン

高頻度宇宙往還を実現する!
大気アシストATRIUMエンジンの研究開発 (JAXA/ISAS共同研究)

図1

ATRIUMエンジンの特徴

Air Turbo Rocket for Innovative Unmanned Mission engine (ATRIUM)
大気を利用する「ジェットエンジン」と、自前の酸化剤を搭載する「ロケットエンジン」を組み合わせたエンジン

ジェットエンジンモード:打ち上げ時・着陸時
ジェットエンジン+ロケットエンジンモード:高度5~30kmの中高度
ロケットエンジンモード:高高度~宇宙空間

・比推力(燃費)を格段に向上させることができる
 →ペイロード重量の増加により観測ロケットなどのミッションの自由度を広げる
・軽量かつ繰り返し使用による高頻度な宇宙空間へのアクセスをめざす

ATRIUMエンジンの課題

・大気をうまく使い高いエンジン性能を発揮する高性能ファンの開発
・単段での圧力上昇をかせぎ,高効率での運転を実現
 →損失要因の把握や適切な羽根形状の設計が求められる

【ポイント】本研究室の高速ターボ機械の数値流体解析(CFD)技術で貢献!

これまでの本学のGG-ATRエンジンの研究実績・ノウハウをふんだんに活用!

・高速回転機械の実験ノウハウ
・数値流体解析(CFD)を用いた羽根車の流れ場可視化
・複雑な流体現象の損失要因の分析技術

図2

高速回転機械の流体解析技術

・高速回転により動翼(回転する羽根車)に衝撃波が発生
 →効率低下の要因であり設計段階からその発生を予測

・流体性能を低下させる渦の可視化,羽根表面の圧力分布の分析

ISAS能代実験場での燃焼試験にも参画

・実機のシステム成立性を確認する燃焼試験(ホットガスでタービンを回し圧縮機を作動)に参画

・数値計算だけではなく実験にも参画することでシステム工学の理解促進や解析結果の検証にも役立てる

写真1

写真2