NEWS

ここに説明を入力します。
ここに説明を入力します。

  1. HOME
  2. お知らせ
  3. HOKUSHIN-1衛星、フライトモデル開発完了 -JAXA J-CUBEプログラムの支援の下、2026年春以降に打ち上げ、宇宙実証へ-

HOKUSHIN-1衛星、フライトモデル開発完了 -JAXA J-CUBEプログラムの支援の下、2026年春以降に打ち上げ、宇宙実証へ-

発表のポイント

  • 東北大学、北海道大学、室蘭工業大学が共同で開発を進めてきた超小型人工衛星「HOKUSHIN-1(ほくしんわん)」は、フライトモデルの開発および打ち上げ機関への引き渡しを完了し、2026年春以降に打ち上げを予定しています。
  • 数kg級の超小型衛星は、深宇宙探査ミッションに挑戦する時代になりました。HOKUSHIN-1は、深宇宙探査に必要な技術を高度約400kmの地球周回軌道で実施します。
  • 2021年度J-CUBEプログラム(注1)に採択され、2022年に開発を本格始動した本プロジェクトは、三大学の学生が実機開発から環境試験まで主体的に参画し、実践的な教育・研究を進めてきました。
  • 打ち上げ後の衛星運用は、東北大学グリーン未来創造機構スペースクロステック研究センター(注2)が中核となって行う予定です。

概要

東北大学、北海道大学、室蘭工業大学が共同で開発を進めてきた超小型人工衛星「HOKUSHIN-1」は、このたびフライトモデル(図1、図2)の開発を完了し、打ち上げ機関への引き渡しを終えました。打ち上げは2026年春以降を予定しています。本衛星は、JAXAが実施する国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟からの超小型衛星放出機会提供プログラム「J-CUBE」において2021年度に採択されたプロジェクトで、2022年6月に開発を本格始動し、フライトモデルの完成に至りました。
将来、月以遠へと活動領域を拡張することを見据えた技術実証衛星の第一弾であり、深宇宙探査ミッションに不可欠な基盤技術の実証実験を実施します。

詳細な説明

研究の背景

HOKUSHIN-1は、東北大学、北海道大学、室蘭工業大学の三大学が連携して開発を進めてきた超小型人工衛星です。
本衛星は、JAXAが実施する国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟からの超小型衛星放出機会提供プログラム「J-CUBE」において、2021年度に国内大学向け衛星として採択されました。これを受け、2022年6月には三大学共同による開発本格始動を発表し(注3)、設計・試作・試験を重ねながらフライトモデルの開発を進めてきました。
HOKUSHIN-1は、数kgの超小型人工衛星が深宇宙へと活動領域を広げるための技術を、地球周回低軌道で実証することを目標としています。

今回の取り組み

本プロジェクトでは、大学規模の設備・人員・開発費という制約の中で、深宇宙探査に必要となる基盤技術を実機として統合することに挑戦しました。具体的には、大学地上局による軌道決定(測距)技術、コンパクトで高効率な推進装置、そして大電力発電を可能とする展開型太陽電池パネルの実装です。
軌道決定技術については、東北大学を中心に、衛星搭載機器と地上側機器の両面から開発と評価を進めました。試作品段階から通信実験を繰り返し実施し、限られた寸法や電力条件の中で最適な部品選定とソフトウェア調整を行いました。さらに、電波暗室試験を複数回実施することで、測距システム全体の性能を検証しました。
同時に、北海道大学が衛星全体の構造設計と解析を担当し、試作段階からフライトモデルに至るまで、設計の妥当性評価を重ねました。構造部品の設計・調達、複数回におよぶ組立・解体作業を通じて、実機としての完成度を高めていきました。
また、室蘭工業大学では、打ち上げ時の振動環境に耐えながら宇宙空間で確実に展開し、大電力を供給できる展開型太陽電池パネルの開発に取り組みました。高度な要求に応えるため、試作品の設計・製作と振動試験を繰り返し行い、その結果を反映しながら改良を重ねました。なお、北海道大学および室蘭工業大学のHOKUSHIN-1の研究開発は、f3(エフキューブ)工学教育研究センター(注4)と連携して進められました。
これらの要素技術を統合したフライトモデルについては、三大学が連携し、振動試験や熱真空試験などの環境試験を実施しました。2025年2月にはすべての環境試験を完了し、同年7月にJAXA筑波宇宙センターにて衛星搭載ケースへの収納性確認を実施しました(図3)。複数回の作業および審査書類の更新を経て、同年11月に打ち上げ機関への引き渡しが完了しました。
本プロジェクトでは、三大学の学生が実機開発と試験に主体的に参画しており、宇宙機開発の一連のプロセスを実体験する実践的な教育・研究活動としても大きな意義を有しています。

今後の展開

HOKUSHIN-1は、国際宇宙ステーション(ISS)補給ミッションに用いられる輸送機NG-24に搭載され、2026年春以降に打ち上げられる予定です。ISS到着後、宇宙飛行士の支援により、高度約400kmの地球周回円軌道へ放出されます。到着から放出までには数週間から数か月程度の待機期間を要する場合があります。
HOKUSHIN-1の運用は、東北大学グリーン未来創造機構スペースクロステック研究センターが中核となって実施します。本技術実証は、大学発の超小型衛星による将来的な深宇宙探査の実現に向けた重要な一歩となることが期待されます。

図1 超小型人工衛星 HOKUSHIN-1 外観イメージCG

図1. 超小型人工衛星「HOKUSHIN-1」 外観イメージCG
左:太陽電池パネル展開前(打ち上げ時)、右:太陽電池パネル展開後(宇宙放出後)

図2 超小型人工衛星 HOKUSHIN-1 フライトモデル外観

図2. 超小型人工衛星「HOKUSHIN-1」 フライトモデル外観

図3 開発メンバー

図3. 開発メンバー(左:環境試験完了後、東北大学にて。右:JAXA筑波宇宙センターにて)

用語説明

注1:J-CUBEプログラム(Japan Manned Space Systems CorporationCubeSat Deployment Program):JAXAが実施する、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟からの超小型衛星放出機会を国内大学等に提供するプログラム。大学主体の超小型衛星開発を支援し、宇宙分野の人材育成と技術基盤の強化を目的としている。

注2:東北大学グリーン未来創造機構 スペースクロステック研究センター:東北大学が2026年1月に設置した、宇宙技術の産学共創型研究開発拠点。サステナブルな宇宙活動の実現と宇宙経済の発展を目的に、小型宇宙システム、宇宙ロボティクス・探査、宇宙推進、宇宙通信などの先端宇宙技術を結集し、異分野融合による高度な宇宙技術の研究・実装を進める。

注3:2022年6月プレスリリース:

地球低軌道上にて将来の月探査のための新たな推進・航法技術を実証-JAXA J-CUBE プログラムにHOKUSHIN-1衛星が採択-

注4:f3(エフキューブ)工学教育研究センター:北海道大学と室蘭工業大学が共同で設置した教育研究センターで、分野横断型の工学教育と実践的なものづくり・システム開発を通じて、次世代の工学リーダー人材の育成を目的としている。


https://f3.eng.hokudai.ac.jp/


詳細(プレスリリース本文)

お知らせ

お知らせ一覧
月を選択