ロケット用インデューサの性能向上に関する研究

スペースポート(再使用型ロケット)

日本における新たな宇宙輸送システムの実現へ

ヒト・モノを宇宙へ送り届けるためには、ロケットが必要となります。
再使用型ロケットは、宇宙輸送の低コスト化・高頻度化・高信頼化に貢献するシステムとして期待されています。

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スペースポートと再使用型ロケット

日本で新たに構想されるスペースポートは、打ち上げ場所確保や安全性の観点から、洋上での打上げも検討されています。
その機体は洋上の回収船へ着陸し、整備・点検がおこなわれ、再び打上げられます。
洋上での着陸は、波や風といった外乱の影響を受けるため、ロバスト性の高い設計が要求されます。

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【ポイント】外乱の影響を受ける洋上において、安定着陸を実現するための設計範囲解を探索する

安定着陸を実現する設計範囲解の探索

手法①セットベース設計手法

再使用型ロケットの安定した洋上着陸を実現するためには、機体や着陸脚、気象条件などの複雑なシステムが同時に安定解を満足していなければいけません。
従来の設計手法であるポイントベース設計手法では、単目的ごとに設計解の評価を繰り返すため、複数性能の同時成立性評価が困難となります。
本研究では、セットベース設計手法を用いて設計解を範囲集合で入力し、複数性能を同時並行に評価することで、再使用型ロケットの安定した洋上着陸成立に必要な設計範囲解の取得を目指します。

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手法②パラメータ設計手法

安定着陸に寄与する設計パラメータを取得するため、パラメータ設計手法により大規模パラメトリックスタディを実行し、着陸安定性に対する感度を取得します。
その結果から、着陸安定に感度が高い設計パラメータの範囲絞り込みをおこない、着陸安定ケースの拡大を目指します。

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感度解析と範囲の絞り込み

着陸安定・転倒ケースの機体イメージ

着陸安定

転倒
(着陸脚の開脚幅が狭い)